
2025年11月18日、東京商工会議所渋沢ホールにて行われた「第70回澁澤賞」贈呈式において、当社社員が参画した「ブラックスタート用系統保護リレーの開発・実用化」が第70回澁澤賞(発明・工夫、設計・施工)を受賞しました。(関西電力送配電株式会社様とのグループ表彰)
日本における電気保安行政の礎を築かれた澁澤元治博士の崇高な志を受け継ぎ、広く電気保安確保等に優れた業績を上げた方々に毎年贈られており、民間では唯一の電気保安関係表彰として認められている権威ある賞です。
一般的な系統保護リレーは、正常に運用されている電力系統で事故が起こった際に瞬時に事故区間を判定して切り離し、事故の拡大を防ぐ設備です。ただし、電力系統において完全に電気がなくなった状態(ブラックアウト)から、電力供給を再開(ブラックスタート)するときの変則的な電力系統状態においては使用することができませんでした。
一方で、2018年の北海道胆振東部地震に起因して発生した大規模停電をきっかけとして、関西エリアにおける大規模停電に備えた検討がなされるなか、正常な状態と大きく異なる状況において電力系統に発生する電気故障を検出することがひとつの課題となりました。そこで当社がこの課題解決のための製品開発を担当し、製品化に成功したものが「ブラックスタート用系統保護リレー」です。
この製品は2022年3月の関西電力送配電株式会社への初号機導入以降、大規模停電後の特殊系統での復旧時においても、系統保護リレーに求められる「緊急時の即応態勢の維持に必要不可欠な役割」を担い、電力の安定供給と信頼度向上に大きく貢献しています。
本受賞に際しまして、グループ受賞の一員としてお世話になりましたこと、関係者の皆さまにお礼を申し上げます。今後もさまざまな製品開発などを通じて電力インフラの安定供給に貢献してまいります。
以上