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2025.10.29 お知らせ
大阪・関西万博における各種設備および実証への協賛で得られた成果について
〜近い未来の事業化を見据えて〜

 当社は大阪・関西万博において、出展する各社さまの各種設備および実証に協賛(*1)いたしました。協賛により得られた成果を速報ベースでとりまとめましたのでお知らせします。
 

1. ITVシステム(Industrial Television System)

(設置個所)
・「電力館 可能性のタマゴたち」(電気事業連合会殿)での協賛出展

 電力館内に36台の監視カメラとエッジPCを設置し、AI推論の活用による@カメラ画角内の「人数カウント機能」による混雑度把握、Aカメラ画像内に引いた線を通過する人数をカウントして人流の動きを測る「ラインクロスカウント機能」およびB夜間等に人を感知すると不審者と判定して記録する「侵入者検知機能」の実証を行い、すべてにおいて高いレベルで運用できたことが分かりました。 特にAについては現在でも自治体さまのイベントに採用された実績もありますが、今後、いずれの技術についても当社工場内で活用しつつ、さらなる精度向上を目指し、将来的には全ての技術についてマーケットに投入していきたいと考えています。



2. スマートポール

(設置個所)
・「電力館 可能性のタマゴたち」前に1本設置(電気事業連合会殿への協賛出展)
・「未来の都市」パビリオン前に3本設置(関西電力送配電鞄aへの協賛出展)

 スマートポール上部は太陽光パネルと風力発電機、LED照明、ペロブスカイト太陽光パネル、情報表示部(ディジタルサイネージ)およびカメラで構成され、下部にはワイヤレス充電器を実装しています(*2)。   
 このポールは、@街路の照明、情報掲示ができること。Aカメラによる人流の可視化と状態判定ができること。B災害時にペロブスカイト太陽光パネルで発電した電気をポータブルバッテリーにて持ち出せること。C災害時でもスマートフォンの充電ができること。との4つのコンセプトにて製作(*3)しています。 Cのスマートフォンのワイヤレス充電機能は、期間を通じて充電スポットとして人気となり、多くのお客さまにご利用いただきました(*4)。 また、Aのカメラを利用した迷子探索システムを、夏休みイベントに合わせてデモの一般公開を実施(*5)したところ、こちらも一般のお客さまからご評価いただけるなど、いずれの技術についても高いレベルでの運用結果となりました。 なお、この迷子検索システムおよび前述のITVシステムによる人流の計測は、いずれもAIを活用したものです。今後はご見学頂いた企業さまから頂戴したAI技術に対するニーズや課題も踏まえ、具体的にターゲットを定めて開発を進めていきたいと考えています。




3. スマートキュービクル(MMCub(*6))

(設置個所)
・「電力館 可能性のタマゴたち」(電気事業連合会殿)での協賛出展

 2021年に経済産業省が作成した「電気保安分野スマート保安アクションプラン」に示された2025年の需要設備の絵姿をもとに、実際に電力館の受電設備として設置し、機能の実証実験を行いました。具体的には、この設備はスマートキュービクルの3段階(*7)のうちレベル1の「見える化」、すなわち人の五感をカメラやセンサーなどのIoT機器で代替し、見えないものを見る、遠隔地から見えるようにする、とのコンセプトで製作しており、今回は各種精密センサー類が正常に動作するかの実証を行いました。これについては、今夏の過酷な猛暑下でも不具合なく動作しており、想定通りの「見える化」が図れたものと考えています。
 今後は、機器の劣化予兆の把握や予測保全につなげるため、見えないものを「見える化」することにより獲得したビッグデータを解析する技術の確立を目指していきたいと考えています。またスマート保安の研究を行う企業や大学等の機関との共創を通じ、「わかる化」から「最適化」を目指し、予測保全が可能なキュービクルを開発・製品化して実民需分野におけるスマート保安を拡げていくとともに、マーケットへの投入も見据えてまいります。




(*1)「電力館 可能性のタマゴたち」(協賛先:電気事業連合会殿)および、未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」(協賛先:関西電力送配電鞄a)
(*2)機器実装とシステム構築は当社が、ポール本体の設計・製作・施工は日本ネットワークサポート鰍ェそれぞれ担当。
(*3) 今回の実証では、実際に太陽光発電によって電力を賄ったものと商用電源を利用したものもある。また、災害時にペロブスカイト太陽光パネルで発電した電気をポータブルバッテリーにて持ち出せる機能は、電力館前のスマートポールに実装している。
(*4)8/13の大阪メトロ中央線の停電トラブル時には、電力館では帰宅できず会場内へ戻った来場者に開放し、充電場所として活用された。
(*5)迷子探索システムの一般公開は、「未来の都市」パビリオン前にて実施した。
(*6) Maru Mie cubicle(中身が丸見えになるキュービクル)、Multifunction Measuring cubicle(多機能な計測ができるキュービクル) 、
  Marvelous Maintenance cubicle(素晴らしい、保守・維持・管理が可能なキュービクル)の頭文字を取りMMCubと名付けた。
(*7) スマートキュービクルはレベル1「見える化」、レベル2「わかる化」、レベル3「最適化」の3つのレベルに分類される。

以上

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